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それゆけ、地域!

観て、聴いて、感じる!-自分、なかま、地域、地球!

北白川こども風土記(京都)

 

大阪にせっかく行くので、近いところで何かおもしろそうなことないかな?とさがしてみたところ、なにやらおもしろそうな企画があるらしいことを発見。

1959年に『北白川こども風土記』(山口書店)という一冊の本が刊行されました。北白川小学校に通う4年生の児童たちが卒業までの3年間かけて調べた郷土・北白川の考古、歴史、風俗を、こどもたち自身による挿画とともに一冊の本にまとめたもので、梅棹忠夫が「これはおどろくべき本である」と絶賛した本です。翌年には短編劇映画として公開されました。
もちろんこどもたちだけの力でこの本ができあがったわけではありません。指導した教諭、調査に応じた故老だけでなく、大学などに所属する多くの研究者もこどもたちを助けました。これには、農業など古くからの諸産業に従事する人びとと、新興住宅街として発展する街に住む研究者やサラリーマンたちが混じりあう北白川という「郷土」の特性も影響しているでしょう。  

公開研究会「こどもと京都-『北白川こども風土記』を読む」‐案内より

 よし。参加してみることに決定。

場所は、HAPSスタジオ。

開催場所について調べてみると、閉校した小学校を活用して、アトリエとして利用されたりしているそうでした。

HAPSとは : 東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)

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実際に足を踏み入れてみると、ファミリーサポートセンターなどのいろんな活動団体も入っていました。同一空間内にいろんな人たちが介在し得る場ということ自体、まず価値だよなあ(校内ですれ違ったら思わず挨拶しちゃうような距離感)。

 

そして実際の研究会では、実践者や研究者が交わりながら(「『地域』映像の集合化による再帰的ソーシャル・デザインの研究」という科研費による共同研究)ワイワイとしゃべっていました(途中参加なので、雑でごめんなさい)。

 

わたし自身が印象に残ったのは、「(北白川こども風土記が)聞き取りを中心とする綿密な調査に基づいた想像力によって、現実や虚構を視覚的に再構成することを目指していたのではないか」というある演者が語った「とりあえずの結論」部分でのくだりです。文脈をつかみつつ、自分の色を含ませる-かんたんそうでむずかしい。でも、とっても大切なことだなと改めて思いました。

 

以下、まとめないメモ。

・・・

「生活綴方」というツール。「どうしても、調べたい」という気持ちが子どもたちに起こっている。「能力の差でなく、熱意でみる」(民俗誌をつくるにあたり、教員の発した“教員のまなざし”を示す言葉)「いつまでたってもまとまらない。書けるだけ書くんだ」「調べるのはいいが、ただ書くのではなく、自分の言葉で書く」「北白川の地形調べ」という題目もあって、それについても丹念に丁寧に描かれている。小学生が調べる領域の広さ、深さに感銘。(観察メモ)

・・・

マニアックな人たちの話の姿は見ているだけでも、とてもおもしろいです。

当時こども風土記をつくった方々(当時の小学生)とともに、実際の短編映画を鑑賞できたことは、すごくラッキーな体験でした。しかも、別に“実際の子どもたちを記録した映画(先生たちが作成?)”の存在が、当時のこども風土記を作成した方から明かされると、会場一同『・・・ええええええーっ!?』となりました。というのも、その動画の存在について(今回の企画者一同)誰も知らなかったことが判明したようです。そのような場に居合わせられたことも、それはそれで、おもしろかったです。

 今回の公開研究会で居合わせた人・こと・もの・場所は、私の「いつも」とはちがっていたと思っています。「いつも」の自分の周りを再発見することも、「いつもとちがう」自分の周りを(不定期でよいので)もつことも、自分自身をつくる上で大切だと感じました。コンフォートゾーンを抜け出す機会をもつというのは、ちがった視点で物事をみつめられるというような点で、自分の思考を揺さぶるのかもしれないなと思いました。そんな地域空間を自分の周りにも持つ生き方がしたいなと思います。

 

「行き当たりばったり」の一人旅に出よう。予定がない旅行は、スケジュールに追われる毎日を過ごすサラリーマンにとってとても刺激的だ。小さい子供連れの場合は難しいが、そうでないなら「偶然」の連続を楽しむ自由を味わってみてほしい。「オフビズ革命」

 

▼とりあえずの結論(感じたこと・考えたことのまとめもどき)

 ・たまに「いつもとちがうところ」へ出掛け、いつもとちがう人やことと出会うこと。

・「いつもとちがうところ」が、自分の居る社会に散りばめられていると、たのしい。

・民俗誌・風土記を書くという経験。暮らしを丹念に観る・調べるという経験。

・教育・しつけ・学習・レクレーションのツールとしての民俗誌・風土記

・地域学習のデザイン。社会教育・生涯教育との接点。

・いろんな学びを生み出す、空間の組み立て方を考える。

・(…とケア・看護との距離)

 

さいごに。

ぼくは、「みんなが大学に行ける社会」がそれだけでいい社会だとは思わない。それよりも「大学や学びが街や暮らしのなかにばらまかれている社会、織り込まれている社会」がいい社会だと思う。

糸井重里が、『日本の人たちの、いいところ。』の中で

ほぼ日手帳:2014年11月26日の頁)

わたしは、こんな社会がいいです。

あなたにとって、どんな社会が、いい社会ですか。

 

By.Morry